工務店・リフォーム業者が突然「音信不通」になったら、まず落ち着いて“順番通り”に動く。
焦って連絡を連打したり、追加で振り込むほど状況が悪化するケースがあります。
この記事は「今まさに困っている人向け」に、やるべき行動と相談先を時系列でまとめた対応マニュアルです。
・足場が不安定/雨漏り/防犯上の危険がある → 応急処置を優先(作業前後を写真・動画で記録)
・金額が大きい/詐欺の疑いが強い → 早めに弁護士・消費生活センター・警察(相談)へ
今すぐ必要なところへ(ページ内ショートカット)
関連:実際に起きた「被害の時系列」を読みたい方へ
私が約500万円を失ったリフォーム被害の経緯を、時系列で具体的にまとめています(ドキュメント記事)。
「なぜ同じ失敗が起きるのか」を構造で整理したい人は、思考ハブもあわせてどうぞ。
▶ 副収入で失敗する人の共通点7つ(思考ハブ)
音信不通になったら、①証拠 → ②期限つき書面通知 → ③第三者へ相談 → ④解除・返金・法的手段の検討の順。
連絡が取れない状態で追加振込・追加契約・口約束の延長はしない。
このマニュアルの対象(状況別の当てはめ)
「音信不通」といっても状況が違うので、まず分類します。
対象A:まだ着工前(契約・入金済み)
- 契約書はあるが、工事が始まらない
- 着工日を過ぎたのに連絡がつかない
対象B:着工中(現場が止まった)
- 現場に人が来ない/資材が入らない
- 足場が残ったまま/養生のまま
対象C:引き渡し前後(不具合・未完了・保証)
- 不具合の連絡がつかない
- 追加工事の約束が消えた
どの対象でも共通して重要なのは、「証拠」と「期限」と「第三者」です。
【STEP0】まずやってはいけないこと(被害を広げる行動)
- 追加で振り込む(「資材が…」「職人が…」などの理由で要求されても)
- 口頭だけで延期合意する(記録が残らない)
- LINE/電話の連打だけで終わる(証拠化しづらい)
- 感情的な脅し文句(後で不利になりやすい)
- 現場で勝手に撤去・解体(契約上の論点が増えやすい)
「連絡が取れない=こちらが頑張って連絡すれば解決」ではありません。
この局面で大事なのは、相手を動かすことより、こちらの不利を消すこと(証拠化・期限・第三者)です。
【STEP1】証拠を“今すぐ”固める(最重要)
音信不通のとき、あとで勝負を分けるのは証拠の量と質です。
この段階で、淡々と集めます。
1-1. 必ず保存するもの(最低限)
- 契約書・約款・見積書・仕様書・図面
- 請求書・領収書・振込明細(通帳/ネットバンキング画面)
- LINE/メール/メッセージの履歴(スクショ+可能ならエクスポート)
- 電話の発信履歴(日時が分かる形)
- 工事前後の写真(撮影日時が残る設定が望ましい)
1-2. 工事中なら追加で保存(現場証拠)
- 現場の全景(外観/室内/危険箇所)を写真・動画で記録
- 足場や養生、資材の搬入状況
- 近隣対応が必要なら、苦情内容と日時メモ
1-3. 「いつから音信不通か」を時系列メモ化
- 最後に連絡が取れた日時
- 約束した日程(着工日・来訪日・納期)
- こちらが連絡した日時(電話/LINE/メール)
- 相手の反応(既読/未読/返信内容)
「感情」ではなく事実(日時・金額・文言)だけを書く。
これが相談先(消費生活センター/弁護士)でそのまま使えます。
【STEP2】期限を切って“書面で”通知する(内容証明の前段)
音信不通が続く/約束した期日を過ぎたら(目安:3〜7日)、こちらから次の一手。
ポイントは「期限」「要件」「記録に残る媒体」です。
①(可能なら)担当者LINEで「メールで回答ください」と送る
② 契約書に記載の会社メールへ同内容を送る(本命)
③ 契約書記載の住所へ書面(簡易書留など)も併用
※目的は“連絡”ではなく、期限つき通知の証拠を作ることです。
2-1. まずはメール or 書面で「最終連絡」を送る
- 要件:工事再開/進捗報告/返金対応など
- 期限:○月○日(例:3営業日〜7日)
- 回答方法:メールで返信(記録が残る)
どれを送る?(迷ったらこの基準)
- まだ数日〜1週間未満/単純に遅れてるだけっぽい → テンプレ①(弱)
- 既読スルー/約束を何度も破ってる → テンプレ②(中)
- 入金済み/危険がある/説明が噛み合わない → テンプレ③(強)(※解除の断言はしない)
2-2. テンプレ3点セット(強度別:弱→中→強)
テンプレ①(弱):進捗確認(まずこれ)
お世話になっております。
__(案件名/工事名)について、__年__月__日にお約束していた件の進捗をご共有いただけますでしょうか。
お手数ですが、__年__月__日(__)までにメールにてご返信いただけますと幸いです。
署名(氏名/住所/電話/メール)
テンプレ②(中):期限つき最終通知(証拠化が目的)
〇〇(会社名)〇〇様
__(案件名/工事名)について、直近のご連絡(__年__月__日)以降、連絡が取れない状況です。
念のため書面(メール)にてご連絡いたします。
つきましては、__年__月__日(__)までに、以下についてメールでご回答ください。
・現状の進捗/今後の工程
・着工(再開)可能日程
・遅延理由(該当する場合)
期限までにご連絡がない場合、第三者機関への相談および書面での正式な手続きに移行します。
署名(氏名/住所/電話/メール)
テンプレ③(強):解除・返金の「予告」
〇〇(会社名)〇〇様
__(案件名/工事名、契約日:__年__月__日)について、期限内のご回答が確認できないため、対応方針を明確にする必要があります。
__年__月__日(__)までに、以下のいずれかについてメールでご回答ください。
① 工事(業務)の再開日程・工程の提示 ② 現状説明と具体的な解決案 ③ 返金方針(入金済みの場合)
期限までに合理的な回答が得られない場合、消費生活センター等の第三者機関へ相談のうえ、契約上の手続き(解除・返金請求等)を検討します。
署名(氏名/住所/電話/メール)
※「解除します」と断言する前に、契約書の解除条項・出来高の記録を確認してから送ると安全です。
※この段階では攻撃的にしない方が良いです。
あくまで「事実確認」「期限設定」「次の手続きの予告」で十分。
【STEP3】相談先を使い分ける(最短で効くルート)
目的別:どこに相談すべき?(迷ったらここだけ見てOK)
- まず何をすればいいか整理したい/一次窓口が欲しい → 消費生活センター(188)
- 契約・施工・リフォームの論点整理に強い窓口が欲しい → 住まいるダイヤル
- 解除・返金・損害賠償を本気で進めたい(額が大きい) → 弁護士(法テラス含む)
- 詐欺っぽい/同様の被害が多そう → 警察(相談)※まずは相談記録を残す
・契約日/金額/支払方法(振込・カード等)
・最後に連絡が取れた日/いつから音信不通か
・今いちばん困っていること(工事停止/返金/危険の有無)
※STEP1の「時系列メモ」が、そのまま回答になります。
3-1. 消費生活センター(188)
- 契約トラブル全般の一次窓口
- 文面・手続きの助言、事業者とのあっせんが期待できる
- 費用:無料
- 準備:契約書/見積/振込明細/やり取り履歴/時系列メモ(STEP1)を手元に
3-2. 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)
- リフォーム・住宅の紛争に強い相談窓口
- 設計・施工・契約の整理に向く
- 準備:契約書・図面・見積・現場写真(出来高が分かるもの)・時系列メモ
3-3. 弁護士(法テラス/自治体の無料相談)
- 返金請求・契約解除・損害賠償を視野に入れるなら早いほど良い
- 内容証明、仮差押え等の選択肢が出る
- 金額が大きい(数十万〜)なら特に検討
3-4. 警察(相談)
- 基本は民事になりやすいが、詐欺の可能性があるなら相談は価値あり
- 同様の被害相談が多い事業者だと流れが変わることもある
- すぐ被害届が通らなくても、相談記録が後で役に立つ
①消費生活センター(188)→ ②住まいるダイヤル → ③弁護士(法テラス含む) → ④警察(相談)
【STEP4】契約解除・返金請求の準備(現実的な進め方)
相手が返信しない/工事を再開できない場合、次のフェーズに入ります。
ここからは「書面」「期限」「証拠」がさらに重要になります。
工事が途中で止まっている場合、争点になりやすいのは「どこまで完成しているか(出来高)」です。
返金・解除を進める前に、現場写真・動画(全景)/工程のメモ/資材の状況を必ず残してください。
ここを曖昧にすると、後で話がこじれやすくなります。
✅ OK:雨漏り止め/防犯対策/養生の補強など「現状維持・安全確保」
⚠ 注意:仕上げ工事や構造に触る工事など「完成に近づく行為」(出来高・責任が揉めやすい)
※どちらも、作業前後の写真・動画と、実施理由(安全確保など)をメモして残す。
① STEP2で期限つき通知(証拠化) → ② 期限超過を確認 → ③ 第三者(188/住まいる/弁護士)に相談
④ 必要なら契約解除の意思表示(書面) → ⑤ 返金・損害の請求(内容証明など)へ。
※「解除します」と言う前に、解除条項と出来高の記録を必ず確認してください。
4-1. 解除の前に確認するポイント
- 契約書にある解除条項(遅延・債務不履行など)
- 支払い済みの内訳(何の対価か)
- 施工済み部分の有無(出来高)
4-2. 内容証明郵便(弁護士に相談しつつ)
「連絡が取れない」「期限を超えた」状態なら、内容証明で正式に通知します。
自力でも可能ですが、金額が大きい場合は弁護士に相談した方が安全です。
4-3. 工事中断の現場リスク(安全確保)
- 雨漏り・防犯・足場・養生などの危険がある場合は、応急処置を優先
- ただし「勝手に別業者で完了」すると揉めやすいので、記録と相談を先に
【ケース別】状況ごとの追加アクション
ケースA:着工前に音信不通
- 入金済みなら、期限付きで返金要請(書面)
- 相手の所在地・登記・代表者情報を整理(相談時に必要)
ケースB:工事途中で止まった
- 現場写真・動画で出来高を記録
- 危険箇所は応急処置(証拠を残しつつ)
- 次の業者に引き継ぐため、仕様・施工状況の整理
ケースC:引渡し後に連絡が取れない
- 瑕疵の内容を写真・動画で記録
- 保証書・契約の保証条項を確認
- 第三者の調査(住宅診断など)を検討
よくある質問(不安が強いところだけ先に回答)
Q. どれくらい待つべき?
目安は3〜7日(約束した期日を過ぎたら前倒し)。その後は「期限を切った書面」に移行。
1〜2週間“放置”すると、相手都合で時間を稼がれることがあります。
Q. 返金は期待できる?
状況次第です。自己破産・資金繰り悪化が絡むと難易度が上がります。
だからこそ「証拠」と「期限」と「第三者相談」を早く回すのが重要です。
Q. 警察は動いてくれる?
基本は民事になりやすいですが、詐欺性が強い(最初から施工意思が薄い等)場合は相談価値があります。
まずは相談記録を残す意識で。
Q. 別の業者に頼んで続きをやっていい?
気持ちはめちゃくちゃ分かりますが、いきなり完了まで進めると揉めやすいです。
特に「工事途中」の場合は、返金・解除で出来高(どこまで完成していたか)が争点になりやすく、後で不利になることがあります。
まずは現場の写真・動画(全景)を残す → 期限を切った書面通知 → 相談先(188/住まいる/弁護士)の順で整理してから、応急処置や次業者の手配に進むのが安全です。
ただし、雨漏り・防犯・足場などの危険がある場合は安全確保(応急処置)を優先してください(その際も、作業前後の記録は必ず残す)。
チェックリスト(この順番でやればOK)
- 契約書・見積・振込明細・やりとりを保存(スクショ含む)
- 最後の連絡日時〜音信不通までの時系列をメモ化
- 期限(目安:3〜7日/約束した期日を過ぎたら前倒し)を切ったメール/書面で最終通知(会社宛て+住所も意識)
- 消費生活センター(188)へ相談(契約書・明細・時系列メモを手元に)
- 住まいるダイヤル/弁護士相談(必要に応じて)
- 内容証明・解除・返金請求(状況に応じて)
最後に:この手のトラブルは「判断の順番」で被害が変わる
音信不通は、精神的にもキツいです。
でも、焦って動くほど相手に主導権を渡してしまいます。
だからこそ、「証拠 → 期限 → 第三者」の順番で淡々と進めてください。
そもそも、なぜ人は「急いで」「確認せず」「振り込んで」しまうのか。
失敗を繰り返さないための判断の型(思考OS)を、ハブ記事で整理しています。
▶ 副収入で失敗する人の共通点7つ(思考ハブ)
【実務用】音信不通になったときの「連絡/期限通知/解除」テンプレを、そのままコピペで使いたい方へ
この局面で一番つらいのは、「何をどう書けばいいか分からない」ことです。
相手に角を立てずに、でも逃げ道を残さないために、弁護士に相談する前段で使える文章テンプレをまとめています。
※テンプレは一般的な状況を想定した文例で、個別案件の法的判断を行うものではありません。
・進捗確認(やわらかい版/強め版)
・期限つき最終通知(メール用/書面用)
・解除の意思表示(争いにくい書き方)
・返金要求(論点がぶれない構成)
※「証拠・期限・書面」の3点がブレない構成にしています。
※「今すぐ送れる文章」があるだけで、相手に時間稼ぎされにくくなります。
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